筆のお話


📌【第2部】筆の太さ(サイズ)と用途・特徴

筆はそのサイズ(=筆の太さや全長)によって、書ける文字サイズや用途が変わります。

✒ 1. 細筆(細字筆・小筆)

 特徴:穂の長さ:1〜3cm前後、全長:15〜20cm 細かな文字、写経用 

 用途:のし袋の名前書き、年賀状、細字の楷書・仮名

 代表的筆種:写経筆、仮名用小筆、化粧筆(舞妓の紅筆にも)

✒ 2. 中筆(中字筆)

 特徴:穂の長さ:3〜5cm、バランス重視

    初心者や学生にとって最も使いやすいサイズ

 用途:半紙に書く通常の練習文字(漢字・楷書・行書・仮名混じり)

 特記事項:作品制作にも使える万能型

✒ 3. 太筆(大筆)

 特徴:穂の長さ:5〜10cm前後、全長:25〜30cm以上

    大きくダイナミックな線が引ける

 用途:条幅(半切)、壁掛け作品、表装向けの大字作品

 代表的な書風:草書、行書、アート書道、看板文字

✒ 4. 特大筆(ジャンボ筆)

 特徴:穂の長さ10cm以上

 用途:パフォーマンス書道や舞台書道などに使用


📌【第1部】毛の種類による分類と特徴

書道筆は、使用する動物の毛の種類によって「柔らかさ・反発力・含み・筆運び」が大きく変わり、書く文字の表情や印象にも影響を与えます。

🐐 1. 羊毛(ようもう・ヤギ)
 特徴:毛が柔らかく、含みが非常に良い(=墨をたっぷり含む)

   墨色のグラデーション(濃淡)や、線の抑揚が豊かに出せる

   筆先がまとまりやすく、にじみも優美

 向いている書風・文字

   仮名(かな)や草書など、流れるような柔らかな書風

 注意点:コシ(反発力)が弱いため、力強い文字には不向き

    筆圧によっては筆先がつぶれやすい

🦊 2.イタチ毛(鼬毛・いたち)/コリンスキー含む

 特徴:弾力性に富み、筆のキレ・動きがよく反映される

   筆先のまとまりが良く、線がシャープに出る羊毛よりも硬めで、

   繊細な制御が可能

 向いている書風・文字:実用書、小字楷書、漢字系の書道全般

   コリンスキー(高級イタチ)は仮名にも対応

 人気の理由:万能型の筆。初心者から上級者まで使いやすい

🐗 3. 豚毛(ぶた)・狸毛(たぬき)などの硬毛

 特徴:非常に硬く、強いコシがある

   墨含みは少なめだが、筆圧に反応しやすい

   「かすれ」や「割れ」を意図的に出しやすい

 向いている書風・文字

   篆書・隷書・金文など、古典的かつ力強い書風

   力のこもった現代アート書にも

 注意点:扱いに熟練が必要。初心者には不向き

🐇 4. ウサギ毛(兎毛)

 特徴:弾力があり、イタチと羊毛の中間のような特性繊細で毛が細く、

   しなやかだが柔らかすぎない

 用途:細字、仮名、写経などに好まれる

🐿️ 5. リス毛(鼠毛)・鹿毛・馬毛・猫毛などの混毛筆

   混毛筆(ごうもうふで)**として使われることが多い

   それぞれの特性を活かし、用途別にブレンドされる

   例:「羊毛+イタチ毛」→ しなやかさとコシを両立した筆


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